2008年6月14日土曜日

うつ病とはどんな病気?

ふつうは健康な心の状態でも、何かショックなことがおこると、落ち込んだり、悲嘆めいたり、自信喪失といった憂うつな気分になったりしますが、時間が過ぎたり、自分にとって楽しい出来事などがきっかけになり、再び元気な心に戻ります。
ところがうつ病になると、心理的な原因の有無にかかわらず、落ち込んだり、憂うつになたり、何をするのもおっくうで、イライラしたりと、気分や感情の低下が続きます。
人によっては、一度治癒しても、一生に数回起こることもあります。
(反復性、または周期性うつ病)
また、うつ病にはかかりやすいタイプがあるといわれ、生真面目・几帳面・ばか正直・仕事人間・優等生・人からの借りが苦になる人、などの性格傾向を持つ人に多いようです。

うつ病のタイプとなりやすいタイプ

うつ病には下記のようなタイプがあります。

■内因性うつ病
なんらかのきっかけが原因となり、はっきりとした原因がわからないまま発症します。

■心因性、または反応性うつ病
心理的な原因によって起こるうつ病。
抑うつ神経症ともいいます。

■身体因性うつ病
体の病気が基礎にあり、二次的に発病したりするものです。
薬の副作用でうつ病が現れることもあります。

ではどんな人がかかりやすいのでしょうか。

うつ病にかかりやすいタイプ

■メランコリー親和性タイプ
几帳面で秩序を重んじるため物事を柔軟に処理することが苦手です。
「自分よりも他人のため」という傾向が強く、外面はいいのですが、内面的には罪の意識が強く、自分に関係のないことまで「自分の責任」と罪をかぶってしまう傾向にあります。

■執着気質タイプ
生真面目で責任感、正義感が強く、何事も徹底的にやらなければ気がすまないタイプです。
仕事・家事・勉強も熱心で、手抜きやごまかしができない「優等生」と呼ばれるタイプです。

■循環気質タイプ
社交的でつきあいがよく、情にもろく、陽気で明るくユーモアに富んでいるため、人から好かれるタイプです。
その反面、情動的で熱しやすく、気分に浮き沈みがあります。

症状について

うつ病になるとどのような症状が現れるのでしょうか。

■気分や意欲の低下
睡眠障害が起こった後に、憂うつで重苦しい気分と不安感や焦燥感が現れます。
自分が価値のない人間に思えたり、過去を悔いたり、将来を悲観的に考えたりといった症状が続きます。
突然理由もなく涙が止まらなくなったり、自分が劣等感の塊のように感じることもあります。
そうして、人との接触を避けるようになるため、話すのもつらく、苦しくなってきます。
一日のうちでは、朝にうつ症状が強く現れ、時間と共に少しずつ軽くなり、夕方には軽くなっているというパターンがあります。

■考えがまとまらない
何をするにも集中できず、会社員の場合は、会議の内容についていけなくなる、主婦の場合は、買い物が決まらない、料理の手順が分からなくなるということがあります。
考えがまとまらないことが続くと、自分の能力の無さは自分のせいだと思い、自分を責めるようになり、「生きている価値がない」などと思いつめ、自殺願望にかられたりする場合もある。

■物忘れが多くなる
目的の場所を通り過ぎたり、待ち合わせの時間を忘れたり、電車やバスを乗り過ごしたりなど、ちょっとした度忘れが目立つようになってきます。

■睡眠・食欲の障害
仕事も家事も、何をするのもおっくうになり、朝が起きられない、お腹が空いているのに食べる気分になれない、家事をする気がおきない、寝たいのに寝られないなどの症状が現れます。
うつ病による睡眠障害では、夜中や明け方に目覚めると、そのまま寝られないというタイプが多いようです。

■身体の症状
人によっては、のどがやたら渇く、頭痛、頭が重い、手足の震え、動悸や息切れ、頑固な便秘、インポ、女性の場合は、立ちくらみ、生理不順、無月経、体の冷えなどを訴えるようになります。

周囲の人の対応

周囲の人たちがいちばん気をつけなくてはならないことが、自殺の防止です。
治りかけに自殺者が多いのもうつ病の特徴です。

気分の面では、まだうつ状態であるのに、行動の部分だけが回復すると、自殺に走ってしまうケースがあります。
これを防止するには、少しよくなったからといって、仕事をさせないなどの配慮をしましょう。

また、うつ病の人に向かって、「がんばって」とか「そんなにおちこまないで」とかの、叱咤激励の言葉は禁物です。

本人たちは、頑張っているのです。頑張りたくても頑張れずに悩んでいるのです。

本人を追い詰めることにもなりますので、じっくりと話を聞いてあげてください。

落ち込んでいるからといって、レクリエーションや、旅行などに連れて行くのも逆効果です。 楽しそうな人たちを見ると「自分はなぜ病気なんだろう」と考えてしまうからです。